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この日 この場所に いることの不思議
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文学の目覚める時

 

 

 

JUGEMテーマ:日記・一般

 

 

家の窓から見える銀杏も、

ここ数日で裸木になってしまった。

 

 

ここ数日、

亡くなった秋山駿氏の事を書いている。

彼の本と巡り合ったのは市の図書館の分館だった。

 

結婚をし、

二人目の子どもが生まれて、

井戸の底深くで息を詰めていたときに、

その本と出会った。

 

その本の装丁は覚えているものの、

タイトルを忘れてしまい、

けれど図書館のその場所ははっきり覚えていて、

彼が亡くなってから、

図書館に行き、

その場所を探したけれど見つからなかった。

 

何気なく彼の名前を検索したら、

mixiに彼を悼む記事が載っていて、

その方の蔵書写真がアップされていた。

 

背表紙を見て、

ああこれだ、対談集でこんなタイトルだったと思い至った。

 

 

彼の本を探し出しては読んだ。

『内部の人間』を読んだ感動は、

安易な言葉で表現したくはないが、

己身が震えた。

 

 

彼がカルチャー教室で講師をしていることを知り、

そこに行き彼と会いたい、

話をしたいと思うことで、

井戸の底に明かりがさしたと思った。

 

 

この先を書いたら、

終わりそうもないのでやめておく。

けれど、彼に初めて会い、

はじめて話をした時のことは今でも覚えている。

 

バルセロナオリンピックの水泳で金メダルをとった岩崎京子氏ではないけれど、

今まで生きてきた中で一番幸せと思えた瞬間だった。

 

 

彼が亡くなる三月ほど前、

話すことができたのは幸せなことだった。

一方的に話したような気がするが、

帰りのバス時間を気にすると、

「帰れ、バスがなくなるぞ」

と言われ、

また来ますと言い、病院を後にした。

 

なぜもっと残って、

いろいろなことを話せなかったのか?

後悔先に立たずである。

 

 

師に巡り合えるという幸運を手にしたものの、

その後30年間、

私はなにも問うことができなかったと……。

 

 

 

 

内部の人間の一部が、

『内部の人間の犯罪 秋山駿評論集』 講談社文芸文庫 2007

で出版されています。

 

 

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