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この日 この場所に いることの不思議
ここに いることを 確認すべく 微弱な信号を……
何億光年彼方の Xへ向けて

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神を見た犬


 



いつものように駄犬と散歩。
心なしか風が涼しい。

木の幹に、セミの抜け殻が見えた。
あのセミオくん、無事飛び立ったのかあー、
と思いながら歩いて、
数メートル先のセミの骸を踏んづけそうに……。

あおっちろいセミだ。
完全に羽化しなかったんだろう。
セミは仰向けに死ぬのか、
人の死に様は仰向けかうつ伏せか?
畳の上で、見取られて死ぬ時は仰向けに死ぬのだろう。

   

家に帰ってテレビをつけると、
オリンピックの選手が、
「あきらめなければ夢はかなう」と言っていた。

かなったらもう夢じゃないよな、と一人ごちる。






   


  

「神を見た犬」 ブッツァーティ  関口 英子



「秘密兵器」

アメリカとソビエトがミサイルを発射しあい、

軍の最高司令部により、ただちに宿命のレバーが下ろされ、アメリカ全土のミサイル発射装置に必要なだけの電圧が送られた。こうして、大地も震える大音響とともに、ソ連側と同レベルの――少なくともそう推測される――大量破壊兵器を搭載した何万発ものミサイルが、大空に向かって発射された。ミサイルはおぞましい炎の尾だけを残し、夜の深い闇へと消えていった。

   略

しかも、おそらくこれが最後だろう。驀進してゆく紡錘形のミサイル群が,人生の夢幻をすべて――小さなものも大きなものも一緒くたに――持ち去ってしまう。愛情、居心地のよいマイホーム、恋しい人と過ごす時間、富や名声への憧れ、家庭という魔法、春、人智、音楽、穏やかに過ぎていく歳月……。



今の時代を予知して書いたのか、いやいつの時代も人間のおろかさは変わらないのか!
ブッツアーテイのシニカルでペシミスティックな視線がたまらない。
どれを読んでも面白い。
なかでも、

コロンブレ
七階
神を見た犬
わずらわしい男


この夏の収穫です。



ちなみにうちの駄犬が見るものは?  
    
      

   
          


http://kimyo.blog50.fc2.com/blog-entry-221.html


 『秘密兵器』 アメリカとソ連の対立は頂点に達し、ついにソ連はアメリカに向けて数多のミサイルを発射します。直後に、アメリカもソ連に向けてミサイルを発射します。世界の終わりかと思った人々は、ミサイルが白い煙だけを吐き出すのを見て安心しますが、それは究極の「秘密兵器」だったのです…。
 究極の「秘密兵器」は、なんら冷戦の構造を変えるものでなく、双方の立場を入れ替えたものでしかなかった、という相対的な認識を描いた作品。

| 読書 | 10:10 | comments(2) | trackbacks(1)
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コメント
こんにちは。
先ほどは、コメント&トラックバックありがとうございます。

ブッツァーティの作品は、時代や風俗が変わっても楽しめる普遍性を持ってますね。「古典」というには、まだ新しい作品群ですが、ぜひともこれから「古典」として残っていってほしいです。
| kazuou | 2012/08/05 5:49 PM |

コメントありがとうございます。
面白い本はまだまだありますね。
またお邪魔させていただきます。
| ハトリ | 2012/08/07 9:30 AM |
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